毎日の文トレ

日々感じたことや考えたことを書き殴ります。

ゲヴァントハウス弦楽四重奏団@京都府立府民ホール”アルティ”

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ハイドン弦楽四重奏曲78番「日の出」Op.76-4

モーツァルト弦楽四重奏曲19番「不協和音」K.465

ベートーヴェン弦楽四重奏曲8番「ラズモフスキー第2番」Op.59-2

 

たまたまチケットが手に入ったので、聞いてきました。

 

弦楽四重奏好きなんですよねー。室内楽では一番好きなジャンルですね。何がいいって、金管奏者からすると、とにかく上品なんですよね。それでいて、踏み込むところはしっかり踏み込んでくれる。金管アンサンブルの良さは結局、パンパカパーンだと思うし、それはそれでいいんですけどね。弦楽四重奏は繊細でまとまりがよく、四人の音色が一つの生き物のように感じられるんです。人が息を吸って吐くかのような自然な音の膨らませ方、盛り上げ方が最高に良かったですね。エネルギーの塊みたいなものが、ひとりでに膨らんではしぼんでいくかのような。また、金管アンサンブルも木管アンサンブルも、息を使って演奏しているので、長い息のフレーズは難しくなってくるんですよね。もちろん、プロの方はそういうことを感じさせない良い演奏をしてくれるのですが、弦楽器のフレーズの持っていき方とは、やはり別物なんだと思います。弦楽器は、一つのロングトーンの中にも、フレージングがあるというか、なんというのか、味があるんですよね。多分、途中のビブラートであったり、弦の動きだったりが、金管のトーン(頭からパキッと最後まで)とは全く異なる美味しさを作っているのだと思います。

 

今回は曲目も良かったですね。ハイドンから始まり、モーツァルト、ベートヴェンと時系列順に並んでいて、アンコールはやはりメンデルスゾーンでしたね。

 

実は、二年前にもアルティーで演奏会をしていて、その時も聞きに行っていました。その時は、一番最初に彼らがステージに入ってきた時に思った印象がそのまま演奏に出ていました。どういうことかと言うと、第1ヴァイオリン、第二ヴァイオリンの二人は颯爽と、入ってきたのに対して、チェロ、ヴィオラ(特にチェロ)のお二人は、のろのろと入ってきていて、やる気なさそうやなーと思ったのです。実際に、お二人はかなり高齢でした。そして、案の定、かなり渋めの演奏で、若者の自分としては少し物足りない感じがあったのは否めなかったのです。ところが、今回、後になって調べて分かったのですが、チェロとヴィオラが若返っていて、特にチェロなんかは1991年生まれの25歳でした。だからなのか、選曲とも相まって、今回は非常に若々しい演奏も聴くことができました。ただ、すごかったのは、ただの若いやんちゃな演奏なのではなく、培ってきたコクのある味わい深い演奏と若いエネルギッシュな演奏が混ざり合っていました。そのおかげで表現の幅が格段に広がっていて、例えは悪いですが、怪人12面相のような、多彩な側面を見ることができました。途中、頭が混乱しそうになるくらい表現に富んだ素晴らしい演奏でした。

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久しぶりに、弦楽アンサンブルの美味しい響きを味わえて、大満足でした。ハイドンの第3楽章のダンスリズムの演奏の仕方が気に入りました。

 

また、演奏会聴きに行きたいな。