毎日の文トレ

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上品な女の子が巨乳であるという爆発

CHANELがクラシックの若手音楽家のスポンサーとなり演奏の場を与えるというプログラムがあり、その演奏会が大学の医学部講堂で開催された。

 

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シャネル・ピグマリオン・デイズという音楽プログラムである。ピグマリオンとは、芸術家を支援し開花させる人を表していて、今ストラヴィンスキーが世界で有名なのはシャネルの創始者のおかげだとも言われているくらい、シャネルのヴィジョンと結びつきがある。

 「科学と音楽の出会い」というテーマで、どんなコンサートになるのかと思っていたら、前半はがっつりと宇宙物理学の講演(「宇宙の音」というテーマ)だった。

講演の初めには、シャネルの日本法人社長のリシャール・コラスさんが来ていて、冗談を飛ばしていた。

コラスさん「元々、この会場は解剖教室だったらしいですね。先ほど、この地下を見せてもらったのですが、ゾッとしました。ただ、今日の会場には死体はないので安心してくださいね」

会場「(ドッ!)」

 

前半の講義は、ざっくりというと「太陽からくる電磁波(太陽風)と地球の周りの磁場が相互作用して出来上がる放射線帯の電磁波の波長を地上と宇宙から観察し、理論から生み出された方程式を元に作り出した波長と比較する」という話だった。

 

面白いのは、今回のシャネルネクサスのプログラムの為に、音に絡めた発表をしなければと思い、何年間も使っていた自前の理論から波長を作り、聞いてみると実際に観測された音とはかけ離れたものだったので、理論が間違っていることに気づくことができたらしい。(今では改良された)

 

その実際に観測された音は色々な名前が作られていて、中でも「Dawn chorus(明け方のコーラス)」と呼ばれる音に注目して研究をしていたらしい。ある時、全く違う仕事でボルネオ島の人口植林を見に行くことになり、そこにいる鳥類の研究者と雑談をしていた。今はどんな研究をしているのか聞いたところ、「Dawn chorusです」と答えられ、偶然の一致に驚いたらしい、さらに驚くべくは、そのボルネオ島の鳥の鳴き声が、宇宙からの波長にそっくりであったらしい。

 

がっつりとした講演も無事に終わり、何人かも眠りから目覚めると、次は弦楽カルテットの出番であった。

 

リシャールコラスさんが、シャネルネクサスプログラムの意義について少し語った。毎年5人の若手音楽家をピックアップしているらしいのだが、その「5」という数字は、シャネルのマジックナンバーである「No.5」から来ていると言っていた。シャネルおっしゃれ〜。

さて、始まった演奏会。プログラムはドヴォルザークの「アメリカ」全楽章と、ボロディンのカルテット2番から3楽章だった。 

 

ドヴォルザークは最初のチェロが乗り遅れているように感じたが、後に安定して来て、特にゆったりとしたソロでのどっしりとした歌い上げには感動した。バイオリンは細かい感情の機微も表現されていて、とてもエキサイティングな演奏だった。バイオリンの2人は共にぶつかり合って昇華していくタイプで、螺旋状に音楽が高まっていくように思えた。ビオラは大山さんっぽいなと思ったら、案の定大山さんに習っていた。安定している姉御みたいな人で演奏にもそれが表れていた。

 

ボロディンのカルテットは冒頭のチェロからバイオリンのメロディーでなぜか分からないが、涙ぐんでしまった。少し遅めのテンポだったが、それがまたよかった。楽章のチョイスが良い。全楽章演奏していたならば、このテンポだと遅すぎるのかも知れない。しかし、今回の演奏ではそれぞれがソリスティックに歌い上げることが出来ていた。

 

そんな演奏も一瞬で終わり、アンコールはなく、すぐに解散となった。

 

会場に白のオフショルダーのニットを着ていた女子がいて、目算でGカップくらいありそうな胸を揺らしていたので、とても幸せな土曜日になった。おしゃれなシャネルに感謝。