毎日の文トレ

日々感じたことや考えたことを書き殴ります。

発掘ワークショップ

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ちょうど一年前の今くらいの時期に、ジョージア(昔はグルジアと呼ばれていました)という国で開かれた古人類学ワークショップに一ヶ月間参加しました。

 

一日の流れを軽く説明します。まず、朝8時に旧ソ連の軍用トラックに乗り込みドナドナ状態で発掘サイトに向かいます。つい最近ジョージア旧ソ連から独立したので、国中に旧ソの残り物があるのです。ちなみに、このトラックはオイル漏れのせいで、非人道的な匂いがして、朝からブルーな気分になります。

 

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発掘サイトに着くと、ラテンノリの陽気なおばちゃんからその日の担当区分が割り当てられ、その場所を数センチずつ均等に削っていくという単調な作業です。カナヅチで土をトントンと叩いて、骨のようなものが出てきたら慎重に周りの土を削り、その骨を浮かし彫りにするイメージです。毎日この作業をしているので、右手だけがマッチョになりました。

 

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途中、ランチ休憩(パンとハムとトマトとキュウリ)を挟み、16時まで発掘を続けます。発掘が終わると、再びドナドナ状態でキャンプに戻り、一旦シャワーを浴びて、18時から人類学関連分野の講義を受けます。一括りに人類学と言っても、形態人類学、骨学、古人類学、歴史学、地質学、保全学、考古学など様々な学問が関わってきます。この発掘サイトに関わっている教授陣がリレー講義をしてくれました。「旧人類の石器を作ってみよう!」というワークショップもあり、随分と楽しめました。

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講義が終わった後、夜ご飯を食べたら、24時までは自由な時間です。ジョージアはワイン発祥の地でもあるので、後半になると毎晩、白ワインかチャチャという葡萄蒸留酒(イタリアのグラッパみたいな物)を飲みながら、ジョージアの政治の話や発掘よもやま話など様々なテーマで語らいました。ちなみに、日本では飲み会の〆はラーメンと相場が決まっているように、ここではケバブサンドを〆に作って食べます。f:id:AlexanDer:20170701194355j:plain

こんな具合で一日が終わり、次の日の朝にはドナドナと発掘サイトに向かう一ヶ月でした。同じ参加者であるアメリカ人、イギリス人、オーストラリア人、ブラジル人、アフリカ人、ジョージア人に囲まれ、オールイングリッシュで過ごしましたが、今までの人生でこれほどまでに英語を勉強してよかったと思うことはなかったです。

 

さて、空港でクーデターに巻き込まれるリアルに恐ろしい事件や、キャンプからブラジル人が逃げ出したりする珍騒動など様々なことがありました。まだまだ語りきれないですが、とりあえずはここまでにします。