毎日の文トレ

日々感じたことや考えたことを書き殴ります。

ヒッチレースつづきのつづき

さて、その老夫婦に車に乗せてもらう。ちょうど関西方面に高速で行くらしい。車の中で、財布も携帯もないという話をすると、コンビニに車を止めて、弁当とおにぎり二つ、ペットボトルのお茶を買ってくれた。これで飯はなんとかなると安心した。數十分走らせると、おじいさんから衝撃な言葉が飛び出した。「次の分岐で僕たちは北陸方面に行くけど、君は関西方面に行くんだよね?どうする?」

え、ちょっと待ってくれ。高速の分岐で降りるなんてことできるのか? 大丈夫なんですか? みたいな会話をしながらも、北陸に行ってしまっては帰れないので、おじいさんの言葉を信じて、途中で降ろしてもらうことにした。そして、僕は高速道路の上に放り出された。

 

しばらく、京都方面と書いたダンボールを掲げていたが、反応して速度をおろしてくれる猛者はいなかった。当たり前なんだけど。このままじゃあ埒が明かないと思っていると、向こうの方から人が手を振って歩いて来た。

 

警備員だった。

 

ものすごい剣幕で怒られた。こんなとこで何してるんですか!! 危ないでしょ!! とりあえず、着いて来てください!と言われ、高速道路から下の道に繋がる階段を降りて行った。下には事務所のような部屋があり、とりあえずそこに座ってと、尋問が始まった。かくかくしかじかで、と企画の趣旨を説明すると、こんなバカもいるんだな。って顔をされた。

 

とにかく解放され、一般道に降り立ったのだが、ここからが大変だった。

 

つづく