デジタル時代の広告宣伝部
- 玉井博久さん(グリコ)
デジタルとは、クッキー、位置情報、ログイン、フォロー、検索、予測、RSS、レコメンドなどなど
iPhoneの設定とサファリにあるようなもの
つまり、端末毎に一人一人の足跡が追跡され、興味が可視化される。
興味のあることだけが自動的に生活者に届くようになる。
- デジタル化に対応するには
❶強烈な興味を作ること
❷大量の個々をマイナーグループに化けさせること
ex)雪アナ応援上映、君の名は聖地巡礼など
低単価大量接触という概念は捨てる。広告媒体としてのマスメディアは既にかつての機能を弱め、マイナーメディアになっている。
広告代理店;強烈な興味が惹きつけられる磁力のあるアイディアを。
メディア;脱視聴率。視聴率に変わる新しい指標を。
- Q:強烈な興味を引くために必要な条件は
A:対象を絞ること。あの手この手で、ターゲットや期間などを絞って行く。
ex)プリッツの日は説得に3年かかった
ex)グリコードも「うちはIT企業じゃねーぞ」と怒られた。
SNSのボリュームと売り上げは相関している。ポッキーじゃない方のパッケージを売り出すべきだった。
- 小霜和也さん
①webCMは実際どうなの?
バズ動画は売れないのはなぜか → シェアすると商品への飢餓感が薄れるから?
Googleが提唱するHHH Hero,Hub,Help
しかし 全部をWEBで行わなくてもいいのでは
小霜の考えるやり方
❶WEB ❷おまけ付きリタゲバナー❸自社販売サイト(LPサイト)
テレビCMでリマインドして消費者の興味をフォローするのと、webCMでリターゲティングバナーを出すことは似ている。
- インタラクティブから新しいメディアへ
新しいテクノロジーが導入される場所から、新しいメディアという立ち位置に。
あらゆる武器を正しく使いこなすための頭が必要。
動画を運用して行くということ
❷A/Bテスト
リタゲバナーはキャッシュバックを強調すると効く。
❸web最適化
webCMの冒頭に「体脂肪が気になるあなたへ」と入れるとクリック率が上がった。webCMは頭に結論を。
❹バンパー(強制小動画)
一番コスパが良い。なぜが5.8秒がシステム上良い。巷ではバンパー祭りに。
❺マストヘッド(1日買い切り)
車と女の子の組み合わせが一番見られた。そのあとはなぜかじいさん
❻webPR
❼著名人SNS
博多華丸大吉のゼロイチ
- 再生回数はほんのちょっとのことで変化する。オーガニックな伸びに期待はしないほうが良い。
②炎上対策するには?
宮城の竜宮城事件;エイジェンシーに動画を作る以外の脳がなかった。
教訓❶webをメディアとして捉えること
教訓❷web動画もマス系出身のCDが作ること
撮影している動画のどこの炎上ポイントがあるか気づける人がCD以外にいない。
- 炎上とは、バカにされた人、それを擁護する人が増殖すること
「バカにされた」と思わせないことが大切。
③ヒステリックにならないためには?
広告業界全体がヒステリックになっている。責任感の強い人から心を病んで行く。
幸せは絶対量ではなく相対量。人はベクトルで幸せを感じる・
- デジタルシフトはヒステリックな要因の一つ。業績が数値化されると結果に一喜一憂してしまう。数値は参考資料として考えることが大事。
これからの課題は、「デジタルシフト」と「人間性シフト」の両立
一肌脱ぎたいと思える人と働く。
④APPENDIX
小霜のような独立系制作会社をうまく使うには、広告主側のECDとして使うと良い。
代理店側でうまくマスとwebを統合する。
- 玉井×小霜対談
小霜:デジタルシフトに過度の期待をしている。メディアごとの使い分けをすべし。
潜在ターゲットをあぶり出すには、TVの方がまだ強い。
新聞;❶発見感がある ❷意外に若い人も読んでいる
一気にデジタルシフトするのは危険。今までmass一辺倒なほど、一気にデジタルシフトしたがる。
CMは「共感を誘うもの」自分を投影するものだから、ターゲット以外の人がバカにされたと感じやすい。
デジタル系agencyとクライアントの話が噛み合わない。
- 今の課題は「デジタルに対応できる人材が少ないこと」
デジタルシフトは単純に仕事が増えるので、負荷が増える。
ただ、やらない訳にはいかない。
古い人たちは、そっとのことでは動かないので、言葉尻の強い紋切り型の言説が増える。
- フィー制について
日本の商取引(コミッション制)ではデジタル化は進まない。これからはwebにお金を払う流れを作らないと。