毎日の文トレ

日々感じたことや考えたことを書き殴ります。

とあるジャズ喫茶にて

2ヶ月前、京都へ帰る夜行バスの時間まで、どこかでお酒でも飲んでいようと思い、新宿にあるジャズ喫茶で一人お酒を飲んでいました。このお店は、村上春樹が若い頃よく通ったらしく、『ノルウェイの森』にも登場するそうです。

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店の奥にある小さめの本棚くらいあるスピーカーから流れてくるジャズを聴きながら、ビールやらカクテルやらを注文していると、音楽をリクエストしたいという気持ちがむくむくと沸き起こってきました。そうなってしまうと、もうリクエストしたくてたまらなくなり、ちょうどCDの切れ目のタイミングで店員さんに話しかけてみました。

 

その頃からThelonius Monkをよく聴くようになっていたので、パッと思い浮かんだ「荒城の月」のアレンジ曲を聴きたいと伝えました。その若い店員さんは、知らなかったようで、マスターに聞いてみますと言いました。

 

そのあと、マスターがテーブルに来てくれて、「お客さん、その曲のエピソード知ってますか」と尋ねてきました。

いいえ、知りませんと答えると、こんな話を聞かせてくれました。

 

そのジャズ喫茶がオープンした頃、当時のマスターと親交のあった有名なジャズミュージシャンがこぞって、セッションをしに来たそうです。その中に、Thelonius Monkがいました。彼がそのジャズ喫茶でセッションをした後、マスターは彼にお土産として、滝廉太郎の荒城の月が流れるオルゴールをプレゼントしたそうです。Monkは、物珍しかったからか、いたく気に入って、帰りの飛行機の中でもずっとそのオルゴールを聞いていたそうです。(周りの人からすると迷惑ですよね。)

そして、その翌年、彼は"Japanese folk song"というタイトルで、荒城の月のジャズアレンジを録音したそうです。のちに荒城の月というタイトルが付け加えられました。

 

まさかの偶然で、非常に驚きました。

 

その後、マスターが「荒城の月、かけますか?」と聞いてきたので、「こんなエピソード聞かされて、聞かない選択肢ないでしょ!」とついついツッコミを入れてしまいました。

 

そんなこんながあり、京都に帰って来たのですが、そのお店のマスターに紹介されたジャズ喫茶に先日行って来ましたので、次はそこでの出来事について、書こうかと思います。

 

では、ひとまずここで筆を置きましょう。